相続財産の上場株式等を調べる方法
相続が発生した場合に、相続財産に何があるのか相続人が把握するのが困難であるケースがあります。遺言書や終活ノート等がある場合は把握しやすいのですが、被相続人が生前子供たちと離れて一人暮らしであった場合も今後増加してくるものと予想され、相続財産把握困難なケースも増えてくるものと思われます。
今回は相続財産(税務上)の上場株式等(内国上場株式、上場投資信託受益権(ETF)など)を保護預かりしてもらっている証券会社等(証券会社、信託銀行など)を調べる方法として、株式会社 証券保管振替機構の「登録済加入者情報の開示請求」について簡単にとりあげます。
「登録済加入者情報の開示請求」は株式会社 証券保管振替機構を通じて、被相続人が上場株式等を保護預かりしてもらっている証券会社等がどこなのかを相続人等の照会により調べてもらう(有料です)制度です。
それにより判明した証券会社等に上場株式等の残高の情報を照会します。
相続税の申告実務の際は、被相続人の通帳の記録、配当計算書の存在、証券会社等からの郵便物の存在等により保有上場株式等の存在や残高が判明するのですが、それらを通じてもなお判明しない、あるいはそれら自体も紛失等していて把握出来ないケースは「登録済加入者情報の開示請求」を利用して把握するという最後の手段のようなものかと思います。
相続人が困らないよう終活ノートのようなちゃんとした形式まではいかなくとも、財産リストのメモくらいは生前に作っておくことが大事なことかと思います。