平成29年度税制改正に関する要望(日本税理士会・日本税理士政治連盟)
平成28年8月、日本税理士会連合会、日本税理士政治連盟から平成29年度税制改正に関する要望が出ました。
最重要項目は以下の通りです。
〇平成29年度最重要建議・要望項目
1.【災害対応税制】「災害税制に関する基本法」を立法化について
2.【中小法人税制】①事業税の外形標準課税は中小法人には適用しないこと。②欠損金の控除限度額の縮減は中小法人には適用しないこと。
3.【消費税】事業者の事務負担と徴税コスト等を考慮し消費税制のあり方について検討すること。
4.【相続税・贈与税】取引相場のない株式等の評価の適正化を図ること。
この4つの最重要項目が27項目の具体的要望に分けられますが、資産税関連では、「取引相場のない株式等の評価の適正化」として
①相続開始前3年以内に取得した土地等と建物等についても通常の評価とすること(時価評価しない)
②評価会社が退職給付債務を負っている場合は一定額を負債とすること
③土地保有特定会社等の特殊な評価方法を見直すこと
が要望されました。
取引相場のない株式等(非上場株式等)は上場株式等と比較し相続税評価額が割高となる場合が多く、中小企業の事業承継のネックともなっています、ですので、これと併せて「事業承継の場合の非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について適用要件をより一層緩和し、納税者がもっと利用しやすい制度にすること」も要望されました。この制度は事業承継の際の株式移転には上述のネックを解決する有効な制度ではありますが、要件が多すぎて、また、利用後の取り戻し課税のリスクもあるので、まだまだ普及していない制度であります。